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ISO/IEC 17043(適合性評価-技能試験に対する一般要求事項)認定取得(2019年4月更新)

当財団は、2019年3月27日付で、技能試験提供者の国際規格であるISO/IEC 17043(適合性評価-技能試験に対する一般要求事項)の認定を取得しております。 食品中の微生物学調査は国内で最初の認定取得となります。

適用規格 JIS Q 17043:2011(ISO/IEC 17043:2010)
認定番号 PTP00050
機関名称 一般財団法人食品薬品安全センター 秦野研究所
所在地 神奈川県秦野市落合729番地の5
認定範囲 技能試験品目
 玄米
測定対象量
 カドミウム

技能試験品目
 食品(ハンバーグ、ゼラチン、マッシュポテト、液卵)
測定対象量
 E.coli、大腸菌群、一般細菌数、腸内細菌科菌群、黄色ブドウ球菌、サルモネラ属菌
登録日(初回) 2019年3月27日
有効期限 2023年3月31日
認定機関 公益財団法人 日本適合性認定協会(JAB)


日本動物実験代替法学会第28回大会で優秀ポスター賞受賞(2016年4月更新)

2015年12月10日から12日にわたって横浜市で開催された日本動物実験代替法学会第28回大会において、「優秀ポスター賞」を受賞しました。
KeratinoSensやh-CLATといった既存のin vitro皮膚感作性試験法では評価が困難であった難水溶性物質を適切に評価することを目的として、 花王株式会社によって「EpiSensA(Epidermal sensitization Assay)」が開発されました。
この評価法について、花王株式会社、株式会社コーセーならびに食品薬品安全センターの三施設において施設内・施設間再現性の検証試験を実施しました。難水溶性物質も含めて、 良好な施設内・施設間再現性を確認することできましたので、この結果をまとめ、考察して、「in vitro皮膚感作性試験法;Epidermal sensitization Assay (EpiSensA) の施設内・施設間再現性検証」という演題で、食品薬品安全センターの生悦住が筆頭演者として発表しました。
学会開催時は、皆様から活発な討論の機会をいただき、ありがとうございました。これからも動物実験代替法の開発、普及に努めてまいります。


開所40周年のご挨拶(2015年10月更新)

皆様におかれましては時下ますます御清栄のこととお喜び申し上げます。
お蔭様をもちまして、一般財団法人食品薬品安全センター(FDSC) 秦野研究所は開所40周年を迎えることができました。これもひとえに皆様のご支援ご厚情の賜物と心より御礼申し上げます。
弊所では、初代研究所長である 石館守三先生の「真実を探求し、人と神とに仕えん」の理念の下、1975年10月以来、食品、化学物質、医薬品、そして最近では医療機器を中心として、 “安全性””を担保するための様々な委受託試験を実施してまいりました。その間、皆様から多くのご教授をいただき、組織としてここまで育てていただきました。これまでにいただきましたご厚情に感謝するとともに、 今までにも増して皆様のよきパートナーとなれるよう、職員一丸となって精進してまいります。今後とも、ご指導ご鞭撻の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2015年10月1日
一般財団法人食品薬品安全センター 秦野研究所
所長
小島 幸一



ご満足いただける試験を目指して(2015年10月更新)

平素より試験のご依頼をいただきましてありがとうございます。皆様に支えられ、今日を迎えられましたことに深く御礼申し上げます。
弊所では、特にご利用の多い医療機器の生物学的安全性試験の分野におきまして、新たに開始しましたコンサルティング業務や各種規制側からの照会事項への対応、ISO 10993 TC194でのエキスパートとしての活動、 国際、国内試験法バリデーションへの参加などを通して種々の情報を入手、分析を行い、皆様からの多様なご要望に対応できる体制を整えております。また、医薬品の品質管理試験においてはPIC/Sに対応するGMP体制の整備、 食品の外部精度管理事業においては技能試験(比較調査)の拡充などに努め、皆様に一層信頼してご利用いただける受託機関を目指しております。40年間蓄えて参りましたました知識や経験を基に、 皆様のお役に立てるようさらにステップアップを目指して参ります。今後ともFDSCをご利用くださいますよう重ねてお願い申し上げます。

2015年10月1日
一般財団法人食品薬品安全センター 秦野研究所
企画調査部長
金澤 由基子



抗体医薬品の安全性試験について - 第42回日本毒性学会学術年会(金沢、2015)から -(2015年9月更新)

2015年6月29日 - 7月1日の3日間、「健康と環境を衛る毒性学」をテーマに、日本毒性学会の年会(鍛冶利幸年会長)が金沢駅周辺の会場を中心にして開かれた。 北陸新幹線開通後、間もなくのタイミングもあり、参加者2000名以上とのことで盛会であった。
秦野研究所からも次の研究に関する3演題が発表された。すなわち、1)秦野研究所で確立され自然発生腫瘍に特異性があるHatanoラットの非腫瘍性病変の特性、2)骨充填剤の埋植試験における毒性病理検査の改良手法、および 3)眼刺激性試験代替法Vitrigel-EIT法のバリデーション報告(分担共同研究)、である。
年会の広範な内容の中で、日米の毒性学会の初めてのJoint企画としてWorkshop - Progress in Immunotoxicologyが開かれた。その中から、抗体医薬品の安全性評価についての話題を紹介する。


免疫チェックポイント阻害

上記Workshopの二番目の演題は、進行がんの抗がん治療でいま話題の免疫チェックポイント阻害薬である抗体医薬の安全性評価に関するものであった。タンパク質医薬の非臨床試験を多く経験している Dr. H.G. Haggerty (Bristol-Myers Squibb, USA) による、“Taking breaks off the immune system: Challenges in safety assessment and translation”と題する発表であった。 抗がん治療の免疫チェックポイント阻害薬として開発されたイピリムマブ(Ipilimumab)の事例を通して、抗体医薬の非臨床試験の過程を示した示唆に富む内容であった。
免疫の程度と質は、抗原認識後の共刺激シグナルと抑制シグナルのバランスによって調節される。免疫チェックポイントとは、このシグナル調節に関わる分子機構のことである。 がん細胞に対する免疫では、がん抗原が自己抗原に類似しているため免疫反応を抑制したり、がん細胞上のリガンドが免疫細胞の受容体に結合して免疫応答を封じるなど、 抑制的なチェックポイント機構が働きやすい。この免疫抑制に関わるチェックポイント分子の働きを阻害することは、がん細胞に対する免疫を活性化する新しいがん免疫療法として注目され、 そのチェックポイント阻害薬としてイピリムマブ、ニボルマブ(Nivolumab)、ペムブロリズマブ(Pembrolizumab)などの抗体医薬が開発されている。 がん細胞に関わる免疫チェックポイント分子の一つとして、腫瘍細胞の認識により活性化した細胞傷害性Tリンパ球上に発現するCTLA-4抗原がある。CTLA-4は抗原提示細胞上のCD80/86と結合すると、 がん細胞に対する細胞傷害性Tリンパ球の活性や増殖を抑制する。イピリムマブはCTLA-4のヒトモノクローナル抗体で、CTLA-4に結合してその免疫チェックポイントの働きを阻害し、がん細胞に対する免疫を増強することにより抗がん効果を示すとされる。 他の免疫チェックポイント分子PD-1の抗体薬ニボルマブと併用すると、抗がん効果は増強される。


抗体医薬品の安全性試験と評価

講演によると、先ず薬効薬理の結合特性試験により、この抗体医薬イピリムマブは、サル以外の動物種(げっ歯類、ウサギ)のCTLA-4およびそれを強制発現させたマウス細胞株には結合しないことが確かめられた。 また、種々組織を用いた交差反応性試験でも、ヒトとサルの組織にのみ反応し、組織特異性もリンパ球での交差性は認められるが、 リンパ球の非特異的活性化は無いことが確かめられた。そのため、その非臨床試験である有効性に関する薬理試験と安全性を評価する各種の毒性試験は、カニクイザルを用いて行われ、必要なデータが集められた。その結果、 免疫チェックポイント阻害に伴う可能性のある自己免疫反応は検出されなかったので、標的特異性は高いと判断された。
このように標的特性に種差のある抗体医薬の非臨床における安全性評価は、既に設定されているバイオテクノロジー応用医薬品の評価に関するガイドラインICH-S6(R1)に沿って行われている。抗体をはじめとするバイオ医薬については、 まず各医薬について標的の種間交差反応性と組織特異性、および薬物体内動態が必要な基本情報となる。イピリムマブの事例では、 種間交差反応性が認められたサルを用いれば従来の非臨床評価が有効であったが、サルでの試験を非臨床における安全性評価の一般基準とするのは無理があろう。ガイドラインICH-S6(R1)では、バイオ医薬の種差特性に応じた試験条件が提示されているが、 種差特性がヒトに限定されるバイオ医薬や細胞医薬が出現すれば、非臨床の安全性評価は従来のガイドラインでは難しい問題をかかえることになる。 これら医薬の安全性評価については、秦野研究所でも実施することになるが、抗悪性腫瘍薬のガイドラインICH-S9に適用されているように、その用途に応じて(A fit-for-purpose strategy)、 一定の前提のもとに従来の非臨床試験を適用する(case by case approach)ことになろう。一方、ヒト化動物(免疫不全動物やヒト標的分子を発現させたトランスジェニック動物を用いる)の開発使用や、 ヒト細胞や組織を用いたin vitro試験の併用も試みられているが、現段階では毒性リスクの評価には種々の限界がある。かなり時間がかかるだろうが、これら毒性試験の実用的な体系化とSystems Toxicologyの視点からの評価法の確立が望まれる。


安研協認定試験において表彰されました(2015年9月更新)

安研協(安全性試験受託機関協議会)は1999年に設立された団体で、非臨床試験技術者に対する試験技術や試験知識の向上を目的として、 資格認定試験を実施しています。 今年度も実務経験1年以上の若手技術者を対象に試験技術や試験知識の向上を目指して資格認定試験が行われ、秦野研究所からも6名の職員が受験しました。
その結果、受験者全員が安研協認定技術者として認定を受けることができました。その中の1名は最高の成績(満点)を得て、安研協会長より表彰状と副賞を受賞しました。

受賞者は「これまで皆様から多くのことをご指導いただけたことがこのような結果につながったと思います。 感謝の気持ちを忘れずに日頃の毒性試験の実施にさらに磨きをかけたいと思います。」と語っていました。




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