眼刺激性試験とは
臨床適用部位が眼組織の場合に選択します。
眼刺激試験は、ウサギの眼に試験液を点眼し、眼組織 (角膜、虹彩、結膜) に及ぼす影響を評価します。
試験方法
試験液として試験試料を生理食塩液および植物油で抽出した抽出液を使用します。
ただし、新たな原料化学物質を使用した医療機器については、原料化学物質を抽出せずそのまま使用、あるいは抽出液を希釈して調製したものを使用することもあります。
希釈する場合は、点眼濃度を決定するために臨床使用量を参考に実施する場合があります。
点眼は、1溶媒につき3匹の動物に行います。点眼後1、24、48および72時間にスリットランプ等を用いて観察し、ISO 10993-23の眼病変の評点付けシステムまたはMcDonald-Shadduckの評価基準に従い、角膜、虹彩、結膜の病変の程度について評点を付けます。
点眼後24時間には、フルオレセインナトリウム溶液を点眼して角膜の損傷の有無も観察します。
判定方法および基準
眼組織への影響の評価は、点眼後の観察期間中における評点をもとに、刺激性陽性反応あるいは重篤な眼の刺激性反応 (不可逆性変化) が認められるかどうかなど、刺激の性質と程度を総合的に判定します。
なお、72時間後の観察で、眼病変が継続して認められた場合、観察期間を延長 (最長で点眼後21日間まで) し、「可逆性」か「非可逆性」かについても評価します。
試験は医療機器ガイダンスまたはISO 10993-23に準拠して実施しますが、場合によっては、OECD TG 405などを参考に実施することもあります。