溶血性試験とは
材料起因の溶血は、医療機器表面の化学物質または溶出する化学物質との化学的相互作用による溶血リスクを評価します。
このため、この試験項目は血液適合性試験が必要とされる全ての医療機器に要求されており、一般的に溶血性試験として実施されます。
ISO 10993-4ではASTM F756-17、NIH2)あるいは従来の国内試験法の溶血性試験が推奨されています。
機械的因子に起因する溶血は、主に血液速度や乱流のような物理的因子により引き起こされ、医療機器の形状も大きく関与します。
試験方法
材料起因の溶血
NIHに記載されている溶血性試験は秦野研究所では実施しておらず、医療機器ガイダンスに提示されているASTM法で実施しています。
ASTM F756-17の溶血性試験では、試験試料の抽出液(間接接触)および試験試料自体(直接接触) にそれぞれヘモグロビン濃度を調製した血液を添加して、37℃でインキュベーションします。
試験には、溶血率2%未満を示す物質を陰性対照とし、溶血率5%以上を示す物質を陽性対照としてそれぞれ設定します。
血液と接触後の溶液を遠心分離し、上清中のヘモグロビン濃度を定量して溶血率を算出します。
食品薬品安全センターでは、ASTM F756-17に記載されているウサギ血液に加え、ISO 10993-4において推奨されているヒト血液を用いた試験が可能です。
医療機器ガイダンスでは、材料起因の溶血性試験法としてASTM F756-17の試験法が記載されています。
※NIHに記載されている溶血性試験は食品薬品安全センターでは実施しておりません。