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GMP省令に基づく品質管理のための試験

GMP省令に基づく品質管理のための試験

品質管理試験の目的

品質管理試験の目的

GMPとは「Good Manufacturing Practice」の略で、医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準を意味し、医薬品及び医薬部外品が常に使用目的に適した品質で製造管理されていることを証明するためのものです。

製造から出荷の過程において、人による間違いを最小限にする、品質の低下を防止する、高い品質を保証するシステムを設計することを目的としています。

医薬品および医薬部外品の製造業者はGMP省令を遵守して製造管理および品質管理を行う必要があります。

品質管理試験の概要

品質管理試験の概要

食品薬品安全センターの品質管理試験について

食品薬品安全センターでは外部試験検査機関として製造業者から、GMP省令に基づく品質管理のための試験検査を受託しています。

試験種は、動物を用いる試験およびプラスチック製医薬品容器の細胞毒性試験です。

局方、局外規、生物基準などに基づく試験のほか、製剤の規格で要求されている試験にも対応しています。

当センターでは、質の高い技術ならびに信頼性の高いデータをお客様へ提供することを品質方針としています。

法令を遵守し、品質システムを維持すると共に継続的に改善を行っております。

食品薬品安全センターの品質管理試験について

動物を用いた試験

異常毒性否定試験

生物学的製剤を対象とした動物試験で、投与後の一般状態、 体重変動など、製剤ごとに定められた検査項目を指標にその異常性を調べます。

使用動物
モルモット
概要
一定量の生物学的製剤をモルモットの腹腔内に投与し、7日間以上観察します。観察期間中、 いずれの動物も異常(体重減少も含む)を示さないとき、試験に「適合」とします。一般的な試験法とは異なり、全身毒性反応がないことを確認する試験です。
異常毒性否定試験:対照群(個体別)の体重推移例と増減値のグラフ
異常毒性否定試験:対照群(個体別)の体重推移例と増減値のグラフ
精度管理的取り組み
異常毒性否定試験:投与手技検証試験の流れ
異常毒性否定試験:投与手技検証試験

モルモットの腹腔内投与の精度を確保するため、投与担当者を対象に信頼性保証部門の立ち会いのもとで投与手技検証試験を実施しています。

発熱性物質試験

注射剤等にエンドトキシンを代表とする発熱性物質が混在していないことを調べます。

使用動物
ウサギ
概要
健康なウサギに試料溶液を静脈内投与し、投与後3時間にわたり体温(直腸温)を測定して異常な体温上昇を示さないことを確認します。 現在では代替法の 「エンドトキシン試験法」が広く普及していますが、この「エンドトキシン試験法」が適用できない場合に必要となる試験です。
発熱性物質試験:陰性の体温変動例
発熱性物質試験:陰性の体温変動例
精度管理的取り組み-1
発熱性物質試験:投与手技検証試験の流れ
発熱性物質試験:投与手技検証試験

ウサギの静脈内投与の精度を確保するため、試験担当者を対象に信頼性保証部門立ち会いのもと投与手技検証試験を実施しています。

精度管理的取り組み-2
発熱性物質試験:技術的精度の確認
発熱性物質試験:技術的精度の確認

発熱性物質試験の感度と投与者の精度を確認するため、投与手技検証試験に合格した者を対象に、 1群5匹の計3群の動物に濃度が異なるエンドトキシン溶液をそれぞれ投与し、 その体温上昇度から相関係数を求め、試験系の感度と投与者の技術的精度を確認しています。

ヒスタミン試験

医薬品中のヒスタミンおよびヒスタミン様物質(血圧降下物質)の存在を調べます。

使用動物
ネコ
概要
ネコの血圧を観血的に測定し、 ヒスタミン投与による血圧の降下反応と医薬品投与による血圧の反応とを比較して医薬品中のヒスタミンあるいはヒスタミン様物質(血圧降下物質)の存在の有無を検査します。
ヒスタミン試験:操作手順
ヒスタミン試験:操作手順

標準ヒスタミン液(1 μg/mL)を0.05、0.1、0.15 mLをそれぞれ5分以上の間隔をおいて投与し、この投与を1系列(系列投与)とします。系列投与を数回繰り返し、 ヒスタミンの一定量の投与で起こる血圧降下が比較的一定になった時、系列投与をやめ、この時のヒスタミン0.1 μg/kgによって起こる血圧降下(20 mmHg以上)を、 試料溶液を投与する際の基準とします。試料を投与した時に起こる血圧降下が、ヒスタミン0.1 μg/kgの投与によって起こる血圧降下よりも小さい時、「ヒスタミン陰性」と判定します。

精度管理的取り組み-3
ヒスタミン試験:技能研修プログラム
ヒスタミン試験:技能研修

試験担当者は、専用の教育訓練プログラムによる技能研修を実施しています。

細胞を用いた試験

日本薬局方に基づく規格試験

  • 一般試験法「7.02プラスチック製医薬品容器試験法」
  • 一般試験法「7.03輸液用ゴム栓試験法」
細胞毒性試験:コロニー形成法でのコロニー染色像
細胞毒性試験:コロニー形成法でのコロニー染色像

日本薬局方では、「プラスチック製医薬品試験法」および「輸液用ゴム栓試験法」に細胞を用いたコロニー形成法が採用されています。

細胞毒性試験:コロニー形成法での細胞生存曲線(IC50値)
細胞毒性試験:コロニー形成法での細胞生存曲線(IC50値)

コロニー形成法でのIC50値(コロニー形成を50%阻害する濃度)が90%以上の場合、製品は適合と判断されます。不適合の場合は、マウスを用いた急性毒性試験を実施することになります。

USPに基づく規格試験

  • Biological Tests/<87> Biological Reactivity Tests, In Vitro
細胞毒性試験:Elution testでの細胞染色像
細胞毒性試験:Elution testでの細胞染色像

USPではプラスチック製コンテナおよびエラストマー製品の評価としてL929細胞を用いたElution Test、Direct Contact TestおよびAgar Diffusion Testが掲載されています。 当方ではElution Testを推奨しています。

その他、承認申請書指定の方法による規格試験[力価試験等]

培養細胞等を用いる力価試験等の定量試験も実施しています。試験実施に際しては、試験内容に関する情報を提供頂き、技術導入、バリデーションを実施し試験を開始いたします。

品質管理試験の実施が求められる品目(例)